転職は「思い切って背伸びして振り切る」こと

32歳のときに初めての転職を経験した男性です。

大学の文系学部を卒業後、新卒で事務系の正社員として、某インフラ企業に入社しました。

非常にドメスティックな企業ながらも、本業のインフラとは別の部門に配属されていたため、商品企画やマーケティングなど、同期よりはクリエイティブな仕事に携われていたと思います。

この会社には10年勤め、年功序列の会社ながらも、想定される出世のペースの中では最上位で昇格、昇給をしてきました。

退職時の税込年収は580万円ほど、月の手取りは30万円程度でした。

仕事はシーズンによっては(結局一年中が「シーズン」だったように記憶していますが)残業や内緒(公式には認められていないので)の休日出勤が当たり前で、週末や夜間に自分の時間を持てないほど拘束時間も長かったですが、仕事の内容は大好きでした。

家族的なムードと良い意味の体育会系のノリが共存し、歳の近い気の合う連中も多く、人間関係に悩むこともありませんでした。

決して儲かっている会社ではありませんでしたが、このまま定年までまったり働くんだろうなぁ、とぼんやり考えていました。

具体的な転職活動を始めたのは、入社して9年半が経った頃、次の会社に行く半年前のことです。

転職しようと思った最大の理由は「自分の人生このままで良いのか」ということでした。
この先もこの会社の中で「レールの敷かれた人生を歩む」ことに納得できなくなってきたのです。

職場には仕事に情熱を持って取り組むアツい人もいましたが、そうでない人の言動、行動、仕草が気になり始めたのです。

「このようなレベルの低い人たちと一緒にいてもなぁ」と思うようになり、自分の成長を、会社の中に絞って考えないようになったというところです。

他にも、「結婚するつもりだった彼女と別れたので人生設計が自由になった」などの理由もありますが。苦笑

とはいえ、定年まで勤めるのが当たり前の会社ゆえ、周りに転職の相談などできるはずもなく、転職情報は自分でネットを中心に調べるしかありませんでした。

まず「リクナビNEXT」に登録して、見よう見まねでレジュメを書きました。

その後、転職エージェント(リクルートキャリア、インテリジェンス)に登録しました。

面談をし、とにかく情報がなかったので転職市場の動向、面接対策などのセミナーにも参加をしました。

エージェントからはほどなく2社合わせて60社くらいを紹介されました。
そのうちの半数以上には応募をしました。

最初はこちらの準備も進んでいなかったので、面接に進んだのは7、8社程度で、しかもすべて面接でNGになりました。

それでも早い段階でエージェントを使ってよかったと思うのは、スピード感です。

面接日のうちに写真を提出し、履歴書、職務経歴書が出来上がっていました。

「明日やれば良いや」というこちらの甘えを許さないレスポンスの早さなどには、こちらをモチベートしていただきました。
ただ、NGのメールをいただく際に、先方(会社)が書いたNG理由を「コピぺ」するだけのメールを送ってくるケースがあり
がっかりしました。

私の場合、転職してキャリアアップが当たり前の生き方をしている同年代に比べて市場価値が低いだろうな、と予想はついていたのですが、「年齢に比してご経験が不足しています」と「コピぺ」して送って来られて、これからどうすれば良いのだと悩んだこともあります。

「なぜNGだったのか、どう改善すれば良いか」をフィードバックしてほしいな、と感じたことがあります。

大手のエージェントは、面談も一度きりで、相談できるようなムードもなく、このようなメールばかりで相談できる感じがなかったのには困りました。

転職活動を始めて2、3ヶ月経つと、リクルート、インテリジェンスと提携する中小のエージェントからも連絡をいただくようになりました。

中小のエージェントとも3社から4社を紹介いただき、応募しました。

最終的に決まったのもこの中の1社でした。

まったく異業種の企業で、元々いた業種から転職をしようとしている人、元々いた業種に営業に行ける人を探している、という

超ピンポイントの案件でした。

面接で印象だったのは
「ぶっちゃげ、弊社のことご存知でしたか?」
という、役員からの質問です。

私のような経歴の人間が転職してくるケースのないITベンチャーでしたので、そうもお聞きになったのでしょう。

正直に答えたところ、内定をいただくに至りました。

異業種ゆえに「経験」は判断できない、「経験」よりも「素直さ」、とおっしゃっていただけたのが嬉しかったです。

転職後は年俸制で、初年度は前職の年収と同額を保証いただきました。
ボーナスの月数の違いで、月の手取りは前職よりも増え、36万円程度になりました。

仕事の内容は、マーケティングや営業企画など似ている面もありましたが、ITの知識などは日々自分で勉強でした。

会社の経営状態は大変よく、上場のフェーズでしたので、ベンチャーの成長を中から垣間見ることができたのが大変よかったです。

また、転職後は、自分でゼロから考えることがとにかく増えました。この経験ができたのがよかったです。

転職して状況が悪くなったと感じることは特にありません。

営業会社ではないベンチャーでしたので、即戦力として見られることもありませんでした。

強いて言えば、福利厚生の差(転職前は会社の寮、転職後は一般の賃貸で家賃補助なので、私の負担額は全然違う、など)が
想像以上に家計に影響を与えたということくらいです。

私のような、ドメスティックな企業にいた人間でも、まったくの異業種、しかもベンチャーに飛び込むことができました。

思うように進まず悩む時期もありましたが、「捨てる神あれば拾う神あり」と信じて進んだ結果だと思っています。

自分の経験や将来の希望を見限ることなく、思い切って殻を飛び出し背伸びした結果、人生を変えるきっかけとなるこの職に出会うことができました。

今だと思ったときに思い切って振り切って、エージェントに相談されると良いと思います。

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